スポンサーサイト
- 2012.02.27 Monday
新しい記事を書くことで広告を消すことができます。
- -
- -
- -
- -
前にどこかの日記にも書いた内容だけど、
今日、あらためてこのことをもう一度書きたいので書きます。
10年前のこと。
オーストラリアで唯一の大都市、
シドニーで働いてたわたしは、
ガチャガチャした大都会なんかじゃなくて
もっともっと広大な、大自然の中で暮らしたいって思って。
あと、一度でいいから、
“夜行列車”
に乗ってみたいって思って。
思ってしまったらやらなきゃムリなので、
2日後に帰らなきゃいけなかったけど
飛行機の帰国時期を延期して、
シドニーから南へ、12時間かけて
メルボルンていう街へ夜行列車の旅に出た。
生まれて初めての夜行列車に乗って
しばらくは乗ってるだけで楽しくて寝れなくて。
景色を見たり、車内を見回したりして
ルンルンモードでウキウキして、
次に行く 新しい街 メルボルンはどんなとこだろうって
わくわくしながら座ってた。
どんどん 夜が深くなっていって
窓からの景色はもう、
地平線と空だけになって
少し眠って 次に目が覚めたとき、
窓の外には自分の目をうたがうくらいの
満点の星空が広がってた。
あー どうしよう!星が!
て思って
ずーっと寝ないで窓にはりついてた。
だって、地平線のギリギリまで
星があって。
地平線がずーーーーーっとつづいてるのが
月のあかりで 見えて。
その景色といったら 言葉はいらなくて。
でも、あんまり素敵だから
この窓からの景色、ゼッタイみんな見た方がいいよ!
て思って 夜中の2時くらいだったけど
知らない人ばっかだけど
全員起こしてむりやり見せようかとか
一瞬本気で思っちゃったくらい、
とにかく すごい景色で。
誰かおきてないかなって
周りを見渡したら、
向こう側の席のに
少し太った40歳くらいのスペイン系のおばちゃんが起きていた。
目があって、
少しだけ なんか いい沈黙があって
そしたらそのおばちゃんはみんなを起こさないように
ちぃさな声で、隣に座っていい?
て聞いてわたしのとなりに座った。
マリーというそのスペイン人のおばちゃんは
外国のマンガに出てくるような
太っちょのおばちゃん。
すっごくやさしい笑い顔をもってる人だった。
マリーおばちゃんは
今、出稼ぎに行ってる旦那さんに会いに行くんだと
言っていた。
旦那さんとは、出会って1ヶ月で
結婚を決めたらしく、
それから今まで何十年も、
ほとんどケンカをすることもなく
付き合った頃のように
仲良しの恋人同士みたいなのよ。
って、かわいいかわいい笑顔をしながら
話してくれた。
子供が5人いて
子育て大変だけど、
英語と、イタリア語と、フランス語と、中国語を
勉強中で、ほとんどマスターしたって。
頭が悪いから、
覚えるのに時間がかかって大変だったわ
て・・・。
それでも毎月欠かさず
夫に会いに行くの。それが楽しみなの。
て。
わたしが、
なんだこのすてきな話。 てポカンてしてたら
マリーおばちゃんは
カバンから 片手に収まるくらいの
小ぶりの箱を取り出しました。
それは ていねいにラッピングされた
誰かに渡すプレゼント。
「毎月ね、夫に会う度に プレゼントを交換するの。」
二人でそう決めたんじゃなくて
離れてる間、
お互いを想う気持ちが
自然とこうなって
今じゃ恒例行事になってるんだけどネ。
今月は、これをあげるの
て言って、
そのプレゼントを開け始めた。
わたしは、せっかくラッピングしてあるんだから
って、必死で止めたんだけど
いーからいーからって
会って間もない私のために
中を見せてくれた。
箱の中には、
腕時計が入っていた。
先月、時計が壊れてるのを見たから
これで気持ちよく時間を見れるでしょ。
って、すっごいうれしそうだった。
決して高くはない感じの腕時計だったのに
夜行列車の ひそひそ話の中現れたその腕時計は
最高に素敵な腕時計に見えて、
それをもらった旦那さんは
きっと素敵な時間を刻むんだろうなーって
ゼッタイ旦那さんは喜ぶね!
て、二人でヒヒヒヒって笑った。
楽しいな〜って思って、また外の星を見てたら、
「ねぇさつき、心底惚れた人とうまくいくコツ、
教えてあげよっか」
て言われて、
恋愛下手なわたしは
そりゃあもう、聞きたいですマリーおばさん!状態で。
そしたら一言。
「 おなかを いーーーーーっぱいにしてあげること。以上♪ 」
てさ。
・・・ 深い!
てそのとき思った。
ものすごいシンプルだし、コツってそんなこと!?
て思う気持ちも一瞬浮かんだけど、
でも、会ったばっかのわたしに
プレゼントの中まで見せてくれて
いろいろなこと、話して
何より、マリーおばちゃんの笑顔が
すっごいあったかくて
あーこの人の言うこと
間違いないなっていうか、信じれるっていうか。
きっとほんとに
おなかを満たすことが、
わたしが思ってる以上に大切なことなんだなって
素直に耳から心へ、入ってきた。
20何年前、旦那さんと出会って、
お互いこの人だって思って
初めて家に招待したとき、
料理の上手なところをアピールしようと思ったけど
当時マリーおばちゃんはまだ
20代で、料理がものすごく下手だったらしく
内緒でお母さんに作っといてもらって
彼がきたら、あたためたり盛り付けたりして
あたしが作ったのよって
食べさせたんだって。
それで彼はこの人で間違いないって思って
プロポーズしたらしいんだけど、
それからお母さんの腕に追いつくように
それはそれは必死に練習したわよって言ってた。
今でもまだ、旦那さんは
あのときの料理が、お母さんの料理だってことは
知らなくて、
これはわたしとさつきだけのヒミツだよって。
子供たちも、わたしが料理好きだって
思いこんでるけど
実は料理大嫌いの、料理下手だったのよ。って。
すっごい話を聞いたもんだ。
軽く詐欺ですよ。マリーさん。
でも、マリーおばさんはこう続けた。
おいしいごはんで、
大好きな人のおなかをいっぱいにしたら、
ケンカしてても
どうでもよくなるし
人はおなかいっぱいなとき、
不思議とケンカしないようにできてるの。
おなかがすかなきゃ 起こらない戦争だって
いっぱいあると思わない?
さつきの料理が食べたくて
あなたのところに帰ってきてくれる人が
きっと現れるわ。
これを聞いたときの私は
料理、上手になりたいけど、
実際は台所に立つだけで疲れてしまうくらい
料理が苦手中の大の苦手で、
何かを作ること自体は大好きなんだけど
どうしても、楽しめなくて
でも上手になりたくてっていう中途半端な状態だった。
だからこの話は、
相当 ガツン ときた。
マリーおばさんと話せたことが
うれしかったし、この話はきっと
わたしの料理人生に影響大だよって思ったから、
感謝の気持ちと、出会えてよかった をこめて
マリーおばさんと旦那さんへ
おそろいの千代紙で
鶴を二羽 折って、あげました。
紙が鳥になるなんて まるで手品!
って、すっごく感動してくれて、
あたし日本語と日本の文化を勉強するわって言ってた。
最後に、メルボルンの駅で別れるとき、
「あのコツ、いつかその時がきたら 使ってもいいわよ。
そのかわり、これは効果大だから、
わたしとさつきだけのヒミツだからね♪」
て、ハグしてバイバイしました。
今、台所で料理をしながら、
あー料理楽しいなーって思ったり
好きな人のおなかを、何でいっぱいにしようかなって
考えたり、
失敗してへこんでも
もっと上手になりたいって思えるのは
あの夜行列車で偶然ともだちになった
大ウソさえも許せちゃうくらい
すっごくかわいくて勉強好きな、
マリーおばさんのおかげ。
ごめんねマリーおばさん、
ヒミツのコツ、みんなにバラしちゃった。
そしてあれから10年かかったけど、
たくさんの人に心配や迷惑をかけちゃったけど、
今日、これから先ずっと
おなかをいっぱいにしたいと思える人と一緒になりました。
名字が変わっても、これまで私が
色んな人に教えてもらったことや出逢ったこと、
ちゃんと忘れずにいきていこうと思います。
きっと色々なことがあるけど、
ケンカしたら、壁にあたったら
マリーおばさんの言葉を思い出して、
おいしいものを作るお嫁さんになります。
そして、マリーおばさんのような、
あったかくて、素敵な笑顔のお母さんに
ナレマスヨウニ。。。





















